2016シーズンをデータからざっくり振り返ろう! 前編
今回から2016シーズンのリーグ戦をデータを見ながら振り返ってみます。主観も所々入りますが、実際の試合を見た感想などはなるべく排除してみたいと思います。この前編では順位と城福政権の振り返りを中心に書きます。
まずは順位から。
↑出典はこちらです。
開幕戦で大宮に負けてスタートダッシュに失敗したもののからの2連勝で一時は4位まで順位を上げた東京。しかしそのあとはホーム名古屋戦以降、アウェイ柏、ホーム川崎、アウェイ甲府、ホーム福岡戦と勝ち星をあげられない苦しい時期が続きます。重要な選手だった太田宏介がフィテッセへ移籍し、さらにはACLとの並行で日程的にも厳しいシーズンとはいえ、1stステージが終わって9位と低調な順位。
開幕前の目標は優勝、もしくはACL圏内(優勝争いに絡むこと)。決して容認できる結果ではなく、解任論がこのころSNSを賑わせていたのは皆さんご承知の通りです。前シーズンはマッシモ・フィッカデンティのもとでイタリア式の守備的なリアクションサッカーでシーズンを戦い結果を残しましたが、今年いきなりアクションサッカーに180°切り替えたことに選手が適応できなかった、具体的に言うとどのように攻め、守るのかといったこと、自分たちからの仕掛け方が前シーズンと正反対でチームとして共通意識を持てなかったことが挙げられます。これはデータにも表れています。
1st Stage FC東京の基本データ
(※元データはFootball LABを参照しました)
1st Stageの得点数の1試合平均は0.94点、失点数の1試合平均は1.06点。ここだけ見てもチームが機能していないことがわかります。後編でも書きますが、実は走行距離、スプリント数、シュート数は篠田政権時のデータよりも上回っており、被シュート数は下回っています。データ上は城福政権時の方が良いのです。
「内容は悪くないが結果がついてこない。」
監督や選手のインタビューでよく聞いていた言葉ではありますが、良いサッカーをしていたかは別として、データ上は本当にその通りでした。言い換えるならばたくさん走ったし、たくさんシュートも打ったのに結果が出ない効率の悪い試合内容、ということになります。選手たちにとってこの時期は本当に苦しかったと思います。
以下が2nd Stageアウェイ川崎戦までの城福政権のまとめです。
7勝5分10敗(1st Stage17試合+2nd Stage5試合=計22試合)
1点差勝利
・7/22試合
先制した試合
・9/22試合
→そのうち勝利は5試合
複数得点
・5/22試合
クリーンシート(無失点で終えた試合)
・7/22試合
→そのうち勝利は5試合
複数失点
・6/22試合
→そのうち勝利は1試合のみ
後半得点
・12/20得点
後半失点
・20/25失点(クリーンシートを除く15試合で)
まず勝った試合はすべて1点差だったことにデータをまとめていて僕自身驚きました。やはり得点数が失点数を下回っていては、優勝争いなどできないと思います。他は後半の失点数が多いのが目に付きます。勝っていても押し込まれてしまい終了間際に失点、なんてことはよく見たと思います(T T)無失点試合も7試合しかなく、前シーズンの守備は見る影もありません。
城福政権時が良いサッカーだったかと言われればそうではなかったと思いますが、データ上は悪くなかったことがなんとなくお分りいただけたのではないでしょうか。たらればになりますが、たくさん走ったことが失点を防げていれば、打ったシュートのうちのいくつかが入っていれば、また違った結果になっていたのでは、とそんなことを考えてしまうデータでした。前シーズンのリアクションから自らアクションしていくサッカーに一気にスタイルを変えるのではなく、まずはマッシモの守備的なサッカーをベースに徐々に城福カラーを出していく方が選手たちもやりやすかったのかなと思いました。
後編では篠田政権のデータ、2016シーズンを率いた両監督のデータ比較を行っていこうと思います!
お読みいただきありがとうございます。